自然農法について

2018年10月30日

自然農法とは

木村さんが推し進めておられる【自然農法】とは具体的にどんな農法なのでしょうか?

簡単に説明すると、自然に元々備わっている大地の力、生態系の力、太陽の力、土壌に住む土壌菌の力、作物に備わっている本来の力を最大限に活かす栽培方法です。

誰も整備しない、山や空き地では肥料をまく事は勿論、何もしないのに木々が茂り草が生えています。

自然界の風景

その話を聞いても「そんなの当たり前でしょ…?」と思われるかもしれません。しかし、お米や野菜の栽培になるとその考えは一転するのではないでしょうか?

それでは、お米や農作物と自然に自生している木々や雑草にどういった違いがあるのでしょうか?

例えお米や野菜であったとしても、自然界の中で生き抜くための力があるはずです。その自然本来の力を最大限に活かし、生命力溢れた、身体に良い作物を栽培するのが、【自然農法】の醍醐味とも言えます。

栄養価の低い近年の野菜

確かに、お米や野菜に【栄養たっぷりの肥料】をやり、【病気にならない様にビニールハウスで囲い】【虫がつかない様に農薬を捲く】という事を行えば、安易に多くの作物を栽培する事が可能でしょう。

近年は野菜や穀物の栄養素が昔の野菜と比べ格段に低下しております。また、農薬や化学肥料を利用すれば、その成分は野菜やお米に吸収されてしまいます。

生命力が弱く、農薬や化学肥料の成分を吸収した野菜やお米を日常的に摂取する事は体にとってあまり良くありません。昔は存在しなかったと言われるアレルギー体質も、もしかしたら日々の食生活が関係しているのかもしれません。

栄養の少ない野菜

自然農法と栄養価

また、自然農法について「肥料を与えないのに、栄養たっぷりの野菜が出来るの?」という疑問もあると思います。
自然農法では、化学肥料だけではなく、有機肥料も一切施しません。

山や空き地には木々や草が生えていますが、太陽と水、自然界に元々ある酸素や窒素、更に土壌にある何億もの微生物を活用しながら、大地にしっかりと根を下ろして生態系の中で生き残りを掛けて必死に自ら栄養を作り出し自生しているからです。

自然農法では、この様に厳しい環境でたくましく自生している植物に倣い、周囲の生態系を壊すことなく、土壌や作物に人為的な手を出来るだけ加えない様にする事で、お米や野菜に元々備わっている生命力を最大限に活用しております。

厳しい環境で微生物や太陽、水の恵みの中でしっかりと根を下ろし、たくましく育った自然農法の作物の栄養価は抜群です。 勿論、化学肥料の成分や農薬の成分を吸収する事はありません。 自然農法で育った作物と、通常の作物では根の張り方が全く異なり、自然農法で育った作物は非常に力強い根を張っております。

自然農法で栽培した野菜

肥料を施さない自然農法

自然農法では、農薬はもとより化学肥料も有機肥料も一切ほどこしません。

自然農法は、「農薬を使わない」事も大きな特徴ですが、肥料をやらずに栽培する事が、他のどんな栽培方法よりも特徴的です。
良く耳にされる「無農薬」「減農薬」栽培も、その殆どは何かしらの肥料を利用しております。例えば米ぬかや酵素、EM等々もあります。

自然農法ではこういった、菌や野菜の搾りかす、家畜の糞尿などを全く利用していない点において、通常の「有機栽培野菜」とは異なる栽培方法となります。

自然農法では、作物が元々自然界に存在している有機物質を自らの力で利用しながら生育するという点において、有機物質を施す通常の「有機栽培」とはまた異なる栽培方法でもありますし、出来上がる作物も通常の有機栽培野菜とも異なっております。

自然農法での畑づくり

放置や放棄栽培ではありません。

それでは、「山や雑草と同じで放置しておけば良いのですか?」「何もしなくても良い楽な栽培ですか?」と言われるとそうでもありません。

【里地里山】と呼ばれる場所をご存知でしょうか? 原始的な自然と隣り合わせの環境で、人々が林業や農業、ため池の整備など様々な自然への人間の働きかけを通して、環境が維持、整備される事を言います。

自然農法の農園もこの里地里山と同様に、自然を損なわない範囲内で、人間の働きかけを通じ、また環境をある程度の範囲で整えていく事で自然農法農法が可能となります。

里地里山の風景

放置は荒廃につながります。

人の手が全く入らない、そのままの自然状態で放置された山は荒廃し、生物の多様性はかえって低下してしまいます。それよりも、ある程度人の手が入った里山や森林の方が、生態系が豊かに循環しております。
全くやらない事は放置になりますし、やりすぎても過保護になってしまいます。 そういった表現をすると子育てに似ていますが、丁度今の農業は過保護に農作物を育成しすぎる事で、野菜が本来の生命力を失っている状態と言えます。

その程よい人の手の介入が自然農法のポイントとも言えます。

自然の農園

人間も自然界の一部という謙虚な視点

自然農法は、【自然】というそのままの世界と【栽培】という人の手が入った世界、この相反する両極のせめぎあいのバランスをどの様に取るのか? ここに「自然農法」の視点があります。
このバランス感覚は、自然農法に携わる人のさじ加減にかかっております。

木村さんは、自然農法には「まず心が大事」とおっしゃります。
自然農法とは、自然な栽培ではなく、自然と栽培の対峙関係という相反する世界の関係性を探るための造語としてとらえております。

自然農法の農園では、農作物だけではなく、農薬を使用しませんので様々な生物が生息生育しております。その中で人々の生活文化も育まれ、長い年月を経てようやく、多義的な空間となってきております。

こうして農園が長い時間を経て、自然に寄り添い、対峙関係から調和関係に融和されていく、その姿を「自然農法」と呼んで良いのではないかと考えています。
「自然農法」は現代人が忘れかけていた、自然回帰による人間を含めた生物たちの営みなのかもしれません。

自然農法の営み

Posted by shirokuma